グアダラハラ大学3

今回は大学評議会の選挙について書きます。日本の大学で言えば学生自治会です。この1週間激しい選挙戦が行われていました。大学の校舎の壁という壁が、オレンジのポスターと、青のポスタ−に埋め尽くされました。また両陣営が配りまくったステッカーを学生が服につけて歩いているので、選挙がどこでも意識できて、活気がありました。自分としては自治会の執行部をやっていた時が思い出されて懐かしくもあり、もっとポスターとかカラーにしたり、ステッカーとかも作ればよかったなあと色々刺激を受けました。ちなみに正規の学生として卒業単位をとる人しか投票権がないらしいので、自分は投票はできませんでした
選挙の方法も自分の大学とは違っています。評議員を選んでそこで執行部を選出するとかでなく、いきなり執行部をキャンパス(自分のいるのは経済学以外の人文・社会科学が集まるCUCSH)の全学生の直接投票で選んでしまうというのです。確かに直接民主主義をより実践しているように思うのですが、執行部のチェックはどうするのか疑問がでます。全学生が参加する学生大会でも開くのなら面白そうですが。もしあるならぜひ参加したいですね。
あと各学部の執行部をばらばらに個人で選ぶのではなくリストとして一括で選ぶ方式は新鮮でした。具体的にはオレンジのリスト(NARANJA)とブルーのリスト(AZUL)が争っていました。オレンジのリストが現在の執行部で、大学学生連盟(FEU)という団体です。選挙戦も一番活発にやっていて、あらゆる授業の最中にクラス入りし、アピールを行っていました。教員もかなりクラス入りにフレンドリーで、穏やかに笑顔で応対していました。もし日本の大学で同じことをやったら、多くの教員が激怒しているやろうなと思いながら、何言っているかほとんど聞き取れずでした。
オレンジのリストの候補者に主張を聞こうと話したのですが、やっぱり語学力のなさからピラミッドではない誰もが平等なのが大学評議会だとしか分かりませんでした。しかし学費の話になりグアダラハラ大学は一年に100ペソ(1000円程度)しか授業料しがいらないと分かりました。日本の国立大学は
535800円であると伝えると驚いた顔を見せ、それからその不当性の話で盛り上がりました。長く話したためかオレンジリストにシンパシーが沸きました.
帰ってから両方のパンフレットを読むと
オレンジリストは
①教師による単位の不当な評価をさせないメカニズムを作る
奨学金と授業料免除の適用の拡大と信頼ある制度に(政治的な適用をさせない)
③芸術・文化活動への援助とイベントスペースを確保する
④官僚制度と複雑な制度をなくしてほかの学科の単位の交換をスムーズにする
⑤社会活動・社会福祉の拡大
ブルーリストは
①大学評議会のホームページを作る
②大学評議会の新聞をつくる
③多様性のあるよう授業科目を増やす
④各種大学内の手続きのためのオリエンテーションの開催

社会福祉、社会活動の拡大で思ったのは学生はメキシコではかなり優遇されています。公共交通(バス、地下鉄)、各種公共施設(美術館等)が半額になります。日本の学割は、量が少ないし、あってもちょっとしかされないのと大違いです。特にグアダラハラは車の往来が激しく危険なので、ほとんど自転車を乗っている人がいなく、公共交通が半額なのは学生にとって助かります。しかしメキシコにいるとますます学費が日本は高いことに対して怒りがわきます。

大学評議会の部屋。6畳ぐらいの狭い部屋にポスターがたくさん貼られている。

校舎中に張られる、オレンジとブルーのポスター

オレンジリストのポスター。より良い評議会を選ぼう!オレンジに投票を!

ブルーリストのポスター。もう一つのCUCSH(グアダラハラ大学社会・人間キャンパス)は可能だ。決断を!

双方の政策パンフレットとステッカー