ウールのスーツ着たシープなやつらとドブネズミの叛乱

この世界には明確な亀裂があることを!ウールのスーツを着たシープなやつらと地下の下水道のドブネズミの間に!スーツの身体性とは何か?ポケットに手を突っ込み、胸を張りながらドブネズミ達を見下しながら闊歩する男社会のシープたち。パリッとかたどられた拘束具が背筋を引っ張り、早朝の同じ時刻に満員電車に積み込まれ輸送される仲間達。地面に座るのは論外!汚れたらクリ―ニング!路上というただの通路をせわしなく通り過ぎる。給料日の金だけを待ちわびながら、名刺交換、電話応対、接待、声色をとりつくろうコミュニケーション。ネクタイという首輪とビジネススタイルで染色された、資本主義の囚人服にしみこんだ生き方が作り出す断層。
ドブネズミ達は夜な夜な地下から這い出す。ヤンキー達はコンビニの前に座り込みながら駐車場を!スケートボーダーは華麗な技と共に夜の歩道を!自分たちのたまり場へと創造する力。ドブネズミ達は地面に座り込み、鍋とカセットコンロで宴を、ラップとジャンベで音を奏でながら踊り狂い、あらゆる路上を広場に変えていく。ねたみ、憎しみ、みじめ、不安を絶望に変え、絶望、絶望、絶望、絶望・・・の淵から怒りを!希望を!絞り出しながら。ドブネズミは決して駆除できない。ドブネズミの存在がなければシープはシープになれない。路上が創造・表現の場になる瞬間、生きる世界を取り戻す。
下水道はドブ水を浄化するため、一方向に押し流していく。異臭のするゴミ捨て場。捨てられたゴミくず、それぞれの特異点で流れ同士がぶつかり下水の方向が変わっていく。ごみくずが流れをせき止めながら。都市の下水がマンホールからあふれだし、不定形にあらぬ方向に、野原の小川を、住宅街の用水路を、都市を横断する河川を飲み込みながら、渦を巻き都市に氾濫/叛乱していく。巻き込まれ、巻き込み、触発され、触発し、又触発される化学変化をぶつけ合いながら、渦は都市をさらに巻き込み広がり加速していく。
誰かを踏みつけ、誰かに踏みつけられながらしかまわることができないこの世界の歯車に濁流が押し寄せ、飲み込み、歯車の部品を錆びつかせ、回転は軋み、火花が散る。
存在は!主体は!運動し、生成し、変化し、流動的に四方に氾濫し、渦を巻きながらスパークして飛び散り、爆発する。エネルギーの蓄積!あらゆることが可能になる潜勢力の無限の拡張!力の現勢態としての暴力/反暴力がそこで激しくぶつかり合う。
貧乏人、暇人、ごろつき、ろくでなし、ゴミくずの視点から世界を認識すること!世界を創造すること!生き方で対峙し食い破る。資本主義と闘争するための集合的な身体を構築するため。