路上レイブと大学機関

大学評議会の選挙が終わった次の日にグアダラハラ大学の門から出たところで路上レイブが行われていました。昼の2時ぐらいから大音量がキャンパス全体に響きわたっていまいした。授業をやっているとかお構いなしです。数日前も授業中の時間にチェ・ゲバラ追悼ライブ(10月9日が命日)をかなりの音量で中庭でやっていました。授業の声も聞こえず、教員も苦笑して休憩になり、クラスのみんなとプロテストソングばかりの曲を聴きました。
本題に戻ると路上レイブは爆音でダンスミュージックをかけ続け、ビールを片手に延々トークとダンスをし続けました。こっちの人はみんなダンスがめちゃくちゃうまいんですよ。子供を含めて。ヒット曲はダンスできる曲ばかり。自分はギコチないながらダンスを教えてもらって踊りました。ついでにいうとこっちの飲み会もフェスタと言って同じく音楽を大音量で流し、ダンスをしながら酒を飲みます。よく隣の家でフェスタをやるみたいで、重低音と歓声が夜中に聞こえてきたりします。音に関してこっちでは全然寛容みたいです。
そして飲む量も半端じゃない。355mLのビールを10本以上平気でみんな飲みます。自分もおごられ、どんどんビールを薦められましたがさすがに2本が限界だった。
驚くのはこれが大学が開いていることです。学生に聞くと「大学がやるのが当然だ。これは自分たちの権利だ」と言っていました。大学の前の道路を封鎖し、周囲に爆音をだしながらレイブをやるのが大学主催っていうのすごい。結構な人数が夜中の10時過ぎまで踊り、酒を飲み続けてました。
なんかこういうのを見ると、路上で抗議行動するのとかためらいがなさそうなのがわかる。道路封鎖とか路上レイブと本質的になにも変わらない。ある種抗議行動は祝祭空間だし、生の喜びを表現する場でもある。
さらにみんなビール瓶や紙コップを次々と道路に捨てる。路上を車とかが移動する空間として捉える考え方とは、かなり違う空間認識をしているようでおもしろい。
ついでに権利の話ですが、グアダラハラ大学はいろんな機関をもっています。社会運動が権利として要求し、作らせたものです。まずラジオ・グアダラハラ大学というのがあり、フォルクロールなど伝統音楽が流れます。NHKFMみたいな存在で、文化運動が作らせたみたいなことを学生が言っていました。また、先住民族共同体支援機構というのも持っています。自分のいるハリスコ州では多くの先住民族がいて、グアダラハラにも移民として劣悪な条件の中働いています。その先住民族に向けての医療や教育プロジェクト、新聞発行などをおこなっています。新聞を読むと、先住民族の闘争がのっていたり、明らかに先住民族の運動がこの機関を作らせたしか思えません。
これを見るとやっぱり日本の大学はもっと社会運動が活動できる機関を作るべきだと思います。もっと言えば社会運動が大学の共有財産を自覚化しそれを要求する圧力をくわえるべきだと思います。ひとつ思い浮かぶのが、最近できた一ツ橋大学にあるフェアレイバーセンターです。http://www.fair-labor.soc.hit-u.ac.jp/これは研究者の努力と労働運動の要求によって、アメリカにあるレイバーセンターを真似て作ったものです。UCLAのセンター長の報告を読むと、いかにアメリカではこの機関が労働運動に貢献するために、多様で、精力的な実践を行っているかが伺われ刺激を受けました。以下で日本語の講演録が読めます。
http://oohara.mt.tama.hosei.ac.jp/oz/548/548-01.pdf