路上は安い!路上市の喜び

メキシコ流の買い物の醍醐味である路上市を今回は紹介します。路上市はメキシコシティのように常設の場所もあるが、グアダラハラは週に一度様々な場所で開かれる。周辺一体の道路を占拠して、所狭しと、様々なジャンルの店が路上に並ぶ。(自分の近所は数百mだが、大きい所では数キロに及ぶ)昼には人でごった返し、狭い通路をすれ違うのも大変だ。野菜や果物、生肉など食べ物を売る店が多いが、DVD・CD・ビデオゲーム(当然コピー。100円ぐらいからある)や服、帽子、お菓子、日用雑貨、魚など大抵の物が手に入る。それもスパーマーケットで買うより断然安い。野菜などは半額ぐらいの値段で買える。さらに、メキシコ料理の食堂や豚足や豚の内臓等の珍味が格安の値段で味わえるのもたまらない。
ネックは週に一度しか開かれないのと、朝8時ぐらいから始まり昼過ぎの3時には店が閉まってしまうことだ。自分の近所は日曜日だが,ほかのところは金曜や火曜だったりするので、いつ、どこで開かれるか把握していれば問題ないのかもしれない。最大の悩み所は野菜や果物、肉、魚などがキロ買いなことだ。野菜は大体2キロ単位で買う。家族の食材を一週間分買う人には当然だし、ちょうどいいのかもしれないが、自分が買うとなるとすこしためらってしまう。路上市を歩けば威勢のいい声で「ジャガイモ、2キロ、10、2キロ、10」と早口でまくし立てる声が聞こえて心地よいので、ついと思ってしまう。一キロで買えないことはないが、2キロ10ペソのところが、一キロでは6〜6.5ペソになってしまってお得感が薄れる。来ている階層も庶民的でスーパーマーケットの客層と全然違う。それもそのはずで、ス−パ−マーケットは大概の「先進国」以外の国では高級店である。幹線道路沿いに立地して、車で買いに来るような階層を主なターゲットとしている。「清潔感」や「高級感」を売りにし、路上とか市場より倍とかの値段で平気で売っている。こっちではスーパーで買うのがなんだか成金趣味に思えてきてしまうのが不思議である。庶民は路上市だけでなく、メルカドという屋内型の常設市場でも買い物をする。これも夕方の5時〜6時にはしまるので早い。メルカドには下ろしたての肉が冷蔵設備のないまま置かれていて、生肉の臭いが充満する独特の魅力がある。市場内を歩くと「いらっしゃい、いらっしゃい」とフレンドリーに話しかけられ、こっちも楽しくなってしまう。
自分はスパーで買い物をするのが当然の世代だが、今のメキシコで市場で買うように、昔は商店街で食材を買うのが当然だったのだろう。そういう意味でメキシコの騒がしくて、庶民的な風景がどうなっていくのか、流通面での変化が人々の生活様式や意識を変化させるのか気になるところだ。
路上市の写真

様々なフルーツが一年中食べられる

魚の店。エビが1kg、500円!安い。スパーは2〜3倍

エビと野菜のスープを作って食べる